【業界研究】システムインテグレータ(SIer)

         
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本記事では、就活のIT業界、特にシステムインテグレータ(SIer)業界について触れていきます。これを書いている現在、私は大学院2年生で1年後には某SIerに就職します。そこで就活を通じて得た知見をもとに、IT企業、SIerの業界研究のお手伝いをしたいと思います。

システムインテグレータ(SIer)とは

SIerとはその名の通り、『システムを統合する者』です。SIerとは企業のことです。以下に簡単にSIerの仕事の在り方について説明します。

<SIerの仕事の在り方>
顧客:「○○という作業をもっと効率よく可能なシステムできない?」
SIer:「分かりました。予算とか締め切りありますか?」
顧客:「予算は○○万円で、3月頃までにはやってください。」
SIer:「承知しました。このシステムなんですが、...」
顧客:「もっとこういう感じがいいなぁ。」
・・・・・・・折衝が続く・・・・・・・
顧客:「じゃあこういう手はずで。」
SIer:「承知しました。」
・・・・・・・・・・・・・・・
SIer:「システムの設計に取り掛かろう!製品は某A企業の製品を利用しよう。あと、この作業は某B企業に外注しよう。」
某A,B企業:「承知しました。」

このようにSIerは、顧客の要望を事細かに聞き、それに見合う最善のシステムを開発することを目的としています。SIerの業界研究やインターンシップに行くと痛いほど耳にすると思いますが、「SIerでのお仕事はお客様と近い(技術営業みたいな職種)」です。

「IT業界だから業務中、PCとにらめっこで、人とほとんど話さないんだろうなぁ...」と思っている就活生がいるかもしれませんが全くそんなことはありません。

またSIerは、自分たちだけでシステム開発を行う訳ではありません。他のSIerだったり、ソフトウエア会社、派遣社員と協力して一つのシステムを開発します。

IT・SIer業界の種類

2020年卒IT業界新卒就職人気企業ランキング

以上は楽天のサービス”みん就”が就活生からアンケートをとって取得したIT業界の2020年卒の人気企業ランキングです。ご参考までに。

また、以上のランキングにはシステムインテグレータだけではなく、Web業界も存在しています。そして、SIer業界には種類があります。

  • 独立系
  • ユーザ系
  • メーカー系

大枠はこの3つに分類されます。そしてそれぞれに特徴があります。

独立系SIer

独立系SIerは、親会社が存在しない、またはグループに属していないSIerのことです。以下が抜粋した企業です。

  • オービック
  • 富士ソフト
  • Sky
  • 大塚商会 etc…

他にも書ききれないほどあります。おそらく就活する以前では耳にしない企業ばかりではないでしょうか?では独立系SIerの特徴として、メリット・デメリットをお話します。

◎メリット:親会社がおらず、グループにも属していないので経営の意思決定が素早い。顧客も様々で、どの企業ともタッグを組める。
×デメリット:親会社・グループの後ろ盾が無いので、将来の安定性は比較的低い。

就活を通じて、独立系は社風などがガラパゴス化している企業が多いと感じました。つまり、会社説明会やインターンシップに参加しなければ、絶対に雰囲気や社風は分からないと思います。私は独立系の企業もたくさん見て回りましたが、「この企業は合わない」と断言できるほど感覚で分かりました。

なので、ぜひインターンシップなどに参加してみましょう。

ユーザ系SIer

ユーザ系SIerは、情報系でない企業の情報システム部門が分社化されて誕生したSIerです。つまり情報系でない企業の情報子会社となります。以下が抜粋した企業の一覧です。

  • NTTデータ(NTTの子会社)
  • 日鉄ソリューションズ(日本製鉄の子会社)
  • トヨタシステムズ(トヨタ自動車の子会社)
  • 伊藤忠テクノソリューションズ(伊藤忠商事の子会社) etc…

こちらも書ききれないほどあります。これら企業の社名を眺めると「NTT・日本製鉄・トヨタ自動車・伊藤忠商事」が見受けられます。つまり大企業のグループ会社となってます。この社名自体は聞いたことが無い場合でも、親会社の名前は聞いたことあるのではないでしょうか?ユーザ系SIerの特徴として、メリット・デメリットをお話します。

◎メリット:親会社・グループ企業の後ろ盾があるので、比較的将来は安定。大規模な案件に携われることが可能。グループからの仕事が多いのでガツガツ営業をせずとも仕事があるので、まったりとした雰囲気であることが多い
×デメリット:あくまでもグループ企業なので、顧客の幅や仕事の幅に制限がある。

就活でこのジャンルのSIerは人気です。理由は大企業のグループに所属しているからです。昔よりも『将来安定志向』が強いと感じています。なので人気なのでしょうか。

ちなみに私はユーザ系SIerに内定を頂き、2020年4月から働く予定です。

メーカー系SIer

メーカー系SIerは、情報機器メーカーの情報システム部門が分社化して誕生したSIerのことです。 つまり情報系の企業の情報子会社となります。以下が抜粋した企業の一覧です。

  • 日立システムズ(日立製作所の子会社)
  • 富士通エフサス(富士通の子会社)
  • 日立ソリューションズ(日立製作所の子会社)
  • NECソリューションイノベータ(NECの子会社)

もっとたくさんあります。社名を眺めると「日立・富士通・NEC」などが見受けられます。ユーザ系と同様、これらグループの企業ということです。ただしコンピュータ関連のメーカーということでユーザー系とはジャンル分けされています。メーカー系SIerの特徴として、メリット・デメリットはユーザー系とほぼ同じです。

◎メリット:親会社・グループ企業の後ろ盾があるので、比較的将来は安定。大規模な案件に携われることが可能。
×デメリット:あくまでもグループ企業なので、顧客の幅や仕事の幅に制限がある。またハードは親会社の製品を使用しなくてはならないかも。

このジャンルの企業もユーザー系SIerと同程度に非常に人気な企業たちです。

システムインテグレータ(SIer)の得意な分野を知る

IT企業の中でも、特にSIer業界の中の企業たちの違いは、就活生にとっても分かりにくい業界です。理由はいくつかありますが、BtoB企業であることがかなりの要因なのではないでしょうか。

各SIerがどの分野に強みを持っているのかを調べましょう。そこで現在システムインテグレーションが盛んな分野は以下です。

  • 製造業界(生産ラインのIoT化など)
  • 金融業界(フィンテックなど)
  • 公共(マイナンバー制度など)
  • 小売業界(キャッシュレス化など)
  • 鉄道業界(ICカードなど)

他にもいろんな分野でシステムインテグレーションが現在盛んに行われていますし、今後も行われるでしょう。

上述の分野において、各SIerには得意な分野が必ず存在しています。例えばユーザ系やメーカー系SIerは比較的グループ企業に対するシステムインテグレーションを得意としています。独立系SIerは様々です。

この中でどのSIerに就職するかの一つの志望理由として、「どの分野のシステムインテグレーションに興味があるのか?」という自己分析をしてみると良いと思います。例えば「金融業界に興味もあるし、ITにも興味があるから、金融分野へのシステムインテグレーションが得意なSIerに行きたい!」みたいな感じです。

今後SIerを調べるときは、以上のようにどの分野へのシステムインテグレーションが得意なのかにも着目して業界研究してみましょう。

システムインテグレータ(SIer)はピラミッド構造

上記の通り、SIerは他社と協力してシステム開発を行います。そこで疑問ですが、顧客はあるシステム開発を依頼するとき、複数の企業へお願いするのでしょうか?

答えはNoです。システムを求めている顧客は元請けSIer(プライムベンダーとも呼ぶ)に要望を出します。そしてその元請けSIerが依頼されたシステム開発のうち、「○○の作業はA社に頼もう。」みたいに、その元請けSIerのさらに下請けと呼ばれる二次請けSIerに依頼します。そしてさらに三次請け・・・。

※一次請け企業は元請け・プライムベンダーとも呼ばれる

このように、プライムベンダーを頂点としたピラミッド構造がSIer業界のビジネスモデルには存在します。そして顧客から元請けへと発生したお金が段々と搾取され、二次、三次・・と得られる金銭が減っていきます。

このようなビジネスモデルから、自然と社員に支払われる給与はプライムベンダーに行けば行くほど比較的高くなります。つまり、お金という観点からすると就職人気企業はおのずと給与が高い一次請負企業になります(NTTデータなどがそうです)。

そこで業界研究の一環として、その企業がピラミッドのどの層に属しているのかを調べましょう。調べ方はググるか、インターンシップなどで企業の方に聞いてみるのも一つの手です。

各層における仕事の違い

ここでは、ピラミッド構造であるSIer業界の各層での仕事や業務の違いについてお話します。良く挙げられる業務内容の違いは以下です。

<一次請け企業へ近いほど>
●大規模な案件に携わることが可能
●顧客に近い仕事が可能
●マネジメント重視になり、プログラミングなどは比較的行わない

ピラミッドの上層に行けば行くほど仕事は上記のような特徴があります。上層に行けば行くほど比較的給与面は上がります。しかし給与がいくら高いと言えども、やりたいことができなければ本末転倒です。例えば「プログラミングを極めたい」という人が上層のSIerに行ったとことで、業務ではほとんど行うことはないのでその想いを満たすことは不可能です。

自己分析などで自身がやりたいことは何なのかを突き詰めましょう。そしてその結果、自分がどの層のSIerに行くべきなのかを確かめましょう。

SIerの取引先企業を見るべき

各SIerの取引先企業一覧を見てみましょう。そこに掲載してある企業にSIerばかりしかないのであれば、その企業はピラミッド構造でいうと、二次請負以下の下層のSIerでしょう。

逆に取引先企業の一覧にSIer以外の企業が多い場合は、ピラミッド構造でいうところのプライムベンダーと呼ばれる位置づけでしょう。

SIer企業が求めている学生とは

SIerを志望している学生がたくさんいると思います。私もその一人でした。そしてこれを書いている現在は学生なので、実際に業務経験はありません。なので、あくまでも就活を通じ、SIerから内定を頂いた学生目線でどんな学生に需要があるのかをお話します。

コミュニケーション力は必須

『コミュ力』ってワード聞きますよね。コミュ力ってなんでしょう?ウェイウェイしてる学生たちはこの『コミュ力』はあるのでしょうか?

違います。『コミュ力』という能力は、『相手と論理的に会話を進行することが可能である能力』です。つまり、ロジカルシンキングができる人材ということです。

正直、ロジカルシンキングはどの職種でも必要です。しかし、SIerにはそれが特に必要であると就活を通じて思い知らされました。ではロジカルシンキングが可能な人にはどのような力があるのでしょうか。

傾聴力

傾聴力とはその名の通り『聞く力』です。SIerで働くシステムエンジニア(SE)は、顧客が本当に必要なものは何かを知ることが重要です。それを満たすには相手から真意をくみ取る力が絶対必要です。

もしこの『傾聴力』が自己分析から自分にはある!という人は長所で書くと良いでしょう。私は自分の長所の一つとしてこの傾聴力をアピールしました。

SIerの1Dayインターンシップは行く必要はない

私は、就職志望業界としてSIerを挙げていたので、1Dayから長期インターンシップまで、期間も企業もたくさんの種類の企業のインターンシップに参加しました。そんな私から言えることは、1Dayインターンシップは、職種理解という観点では時間の無駄ということです。

SIerの1Dayインターンシップの内容はたいてい以下のようなプログラムでした。

1)SIer業界研究
2)弊社紹介
3)グループワーク
4)社員のフィードバック

一見ためになるように思えますが、3)のグループワークはただのお遊びです。その内容としては「ある企業が○○という問題をシステムで解決したいと思っています。ではグループでどんなシステムがその企業にとって最適であるのかを考えて、発表してください。」といったものです。

上記で「職種理解としては無駄」と言いましたが、社風を知るためや、後々の早期選考への勧誘のためにはぜひ参加しておきたいものです。どうせ行くこともないSIerのインターンシップは行く意味は皆無です。

SIerの長期インターンシップは良い職種理解になる

1Dayインターンシップをさんざん馬鹿にしてきましたが、3Dayや1Weekなどの比較的長期インターンシップは参加すべきです。これらではSIerのSEとしての職種理解が非常にはかどります。内容としては、1Dayのグループワークでは机上の討論だけでしたが、こちらでは実際に納期などをセッティングして、システム開発を行う体験が可能であるという内容です。

このインターンシップの内容としてどんな点が特によかったかというと、「納期に追われる経験ができる・チームワークの必要性を知ることができる」という2点です。システム開発では納期・コストが重要になってきます。これらのうち納期に関して体験できるという点が本当に職種理解につながりました。

また、SIerの企業の募集要項には必ずと言っていいほど記載されている「チームワークを重んじることができる人」ということが、インターンシップを通じて理解することができました。これに参加するまでは「チームワーク=仲良し」みたいな感じだと思っていました。しかし単なる仲良しだけがチームワークではなく、「どれだけチーム全体のことを把握して、チーム全体が上手くいくように個人で行動可能か」ということを本当に理解させられました。

まとめ

本記事では業界研究と題して、SIer業界とその企業に関してお話しました。少しでもあなたの業界研究の一助になれたらと思っています。

SIer志望の就活中の学生の皆さん、コミュニケーション力とは相手とロジカルに会話が可能な能力のことです。ぜひ学生生活の中でこの能力を身につけましょう。

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